すばらしい新世界

イギリスの小説家オルダス・ハクスリーの名作です。いわゆるディストピア小説の元祖に位置する作品で、SF界の古典であるにとどまらず、英文学のオールタイムベストでも上位に挙げられることの多い古典です。無数のSF作品が本書から影響をうけて誕生し、現代日本のアニメやゲームなどにもその影響を見つけることができます。

舞台となるのは未来の世界。そこでは、あらゆる感情がコントロールされ、苦痛のない安楽な社会が実現しています。苦痛や不安を感じそうなときはソーマと呼ばれる薬を服用し、精神の安定をすぐに取り戻すことができます。しかしごく少数ながらそこに馴染めない人物も。彼らは安楽よりも自由を求め、物語の終盤には社会の管理者と対峙して問答を交わすことになります。

このようにあらすじをざっと振り返っただけでもわかるように、現代ではそれほどめずらしいストーリーではありません。むしろありふれているといえるでしょう。ゲームやアニメなどにも同じタイプのストーリーがたくさんあります。しかしこの作品の重要さは、そのタイプの物語を初めて創造したところにあります。ハクスリーがこの作品を書かなかったら、現在の文学やサブカルチャーの状況はまったく違っていたかもしれません。後世に与えた絶大な影響力という点で、やはり本書は偉大な小説なのだと思います。

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